参考 (日本禁煙学会理事 松崎道幸・訳)
バレーボール・ワールドカップで若い女性にタバコの売り込みを目論む JT に非難の声 ―ワシントンタイムズ 2011年11月24日― クリストファー・ジョンソン
JT のロゴ入りのユニフォームを着た日本の女生徒のアイドル、日本代表の新鍋理沙選手*は、2 011年11月18日、代々木国立競技場での対アメリカ戦に勝ち、場内のファンに手を振ってい た。
日本の禁煙団体は、世界屈指のこのタバコ会社がワールドカップバレーボールのイベントを通じ て10代の少女にタバコの売り込みを行っていることを非難している。
今年の12月4日までの大会期間中、日本代表チームのユニフォームやコートサイドのデジタル 広告ボードだけでなく、ワールドカップの代々木会場をはじめ全国の競技場の観客の少女、母親、 子供たちに無料で配布される景品に、日本たばこのロゴ(JT)が描かれている。
欧米などの先進国では、ずっと以前からタバコ会社のスポーツイベントの後援が禁止されている。 しかし、JT は、バレーボールイベントの有力なプロモータを務めて、女子生徒の間にバレーボー ルの人気を高めてきた。日本は1977年から一貫してワールドカップの主催国となり、最近4年 間で3度チャンピオン大会を主催している。
JT は、日本のトッププレーヤー竹下佳江**の所属するナショナルチームのスポンサーでもある。 日本政府の推計では、日本の成人男性喫煙率は 40%、女性の喫煙率はおよそ 10%である。
日本禁煙学会理事長作田学氏は、最近のワールドカップのテレビ放映についてこう述べている。 「まったくナンセンスです。これでは、チーム日本でなく、チーム JT です」
JT の広報および投資家担当主任ツチヤ・マホコ氏は、電子メールでこう述べている。「JT は法律 を十二分に遵守してあらゆる活動を行っています。」
日本では、バー、ファミレス、公園、ホテルの客室での喫煙は法律で禁止されていない。 そればかりか、財務省は JT の株の半分以上を保有している。JT の株価は今年 30%も値上がりしている***。
世界保健機関は喫煙が毎年 600 万人の人命を奪っていると述べている。その犠牲者のうち 60 万 人は非喫煙者である。欧州連合は 1991 年にテレビでのタバコの CM を禁止し、2005 年にはスポ ーツの国際的なイベントでのタバコ CM を禁止した。
スイス、ローザンヌに本部を置く国際バレーボール連盟(FIVB)に電話をかけたが、電話を回され た広報担当主任リチャード・ベーカー氏は電話に出ず、電子メールにも返信はなかった。
FIVB 広報委員長ヒロシ・タケウチ氏は、FIVB は「これ以上の誤解を避けるために、この分野の専 門家が」この問題に関する検討を行う予定であると述べた。
彼は電子メールでこのように述べている。「JT は(タバコだけでなく:訳注)多種類の商品を製造す る企業であり、本ワールドカップの飲料メーカ枠のスポンサーとして協力をいただいている。日本 の法規では、JT の飲料部門は、同じ JT というブランドで営業していても、タバコ製造業種とは分 類されないことになっている。」
JT のホームページには、タイの洪水被災者に 4 万ドル、トルコ地震の被災者に 4 万ドルを寄付し たと、この会社の社会活動の様子がデカデカと載せられている。
そのホームページにはこのようなことも書かれている。「JT グループの使命は、自然環境、社会 と個人の多様性への理解と畏敬を払いつつ、このユニークなブランドの創造、発展、育成を通じ